昭和20年代最後の年。
父はこっそり仕事を抜け出してあるパレードを観に行ったそうな。
名古屋の広小路通りは大勢の市民でごったがえしていた。
群衆にもみくちゃにされていた選手たちに向って父は何とか握手を求めて手を伸ばした。
握手に応じてくれた選手がいた。
その手は大きく、そして指の長いこと、そしてしなやかなことが印象に残っているそうだ。
フォークボールを駆使して快刀乱麻のピッチングで相手打者を討ち取った、その手。
父はその握手からしばらく手を洗えなかったのは言うまでもない。
その父も今年76歳。
さらに今は亡き祖父からも、戦前、名古屋軍の試合を鳴海球場まで観にいった話も聞いている。
親子代々の「竜党」が感じたであろう、53年という歳月の長さを感じる今宵。
先月10日に生まれた我が家の跡継ぎの名前も「龍之介」
彼は、何回このチームの日本一を観ることになるだろうか。
歴史は続く。


